平成28年第4回定例会 一般質問

2016 12月 22nd, 05:08 pm

新放課後モデル事業について

質問①

新放課後モデル事業は、平成25年4月より豊川北小学校及び中小学校で開始された事業であり、今年度で4年目を迎えます。一定モデル事業として結論が出るころと判断し質問をさせていただきたいと思います。

まず豊川北小学校でありますが、平成25年4月より小学館集英社プロダクション、平成26年4月より社会福祉協議会へ委託しております。社会福祉協議会へ委託してから2年8か月が経過し、学習プログラム、運動プログラムそして体験プログラム全てのプログラムにおいて安定的な運営が出来ていると聞いております。委託先の社会福祉協議会をはじめ、運動プログラムを担っている箕面東コミスポ、体験プログラムを担っている地区福祉会のご苦労とご尽力があって今日に至っていると考えれば感謝の気持ちでいっぱいになります。また、学校と放課後事業との連携もうまくいっていると聞いており、その日にあった注意事項を担任教員からコーディネーターへまたコーディネーターから担任教員へしっかりと引き継ぎをされているとのことです。地域団体協力の下、特に大きな課題もなく運営できていることから、モデル事業としては成功事例であると見受けられました。

次に中小学校でありますが、豊川北小学校と同じく平成25年4月より小学館集英社プロダクション、平成26年4月より社会福祉協議会へ委託しております。先般小学2年生対象のお話し会を見学させていただきましたが、約20名の児童が参加し、落ち着いた状態で楽しく指導者のお話を聞いておりました。またコーディネーターも受付や進行と手際よく行っており、児童からも高い信頼を得ているようでありました。そして事前に参加申し込みをしている児童が当日来ていない場合は、しっかりと連絡を取って事情を確認しておりました。見学させていただいた結果、プログラムの運営面においては申し分のないように思えました。ただ全体的なものとして、運動プログラム、体験プログラムにおいて、一部地区福祉会等の協力を得ているものの、学童保育指導員の中に偶然地域で幅広く活動されている方がいて、その方がプログラムの指導者を募っていると聞いております。特定の学童保育指導員に頼りきりになってしまうと、その指導員が異動や退職で現場から離れることによってプログラムの実施に困難をきたすようになることから、安定的な指導者確保の体制作りをしていく必要があると思いました。そのような課題はあるものの、現在のところ大きな問題もなく運営ができていることから、中小学校においてもモデル事業としては成功事例であると見受けることができました。

そこで一点目の質問であります。この新放課後モデル事業の趣旨とその趣旨に合う運営が現在できているのかをお答え願います。

回答①

新放課後モデル事業は、子どもたちに安心・安全で充実した放課後の居場所を提供し、学力や体力の向上、豊かな心の醸成を図ることを目的に、従来からある学童保育や放課後の自由な遊び場開放に加え、宿題に取り組むためのスタディルームと、学習・運動・体験の3分野からなる「活動プログラム」を、子どもたちが自由に選んで参加できるものです。

平成25年度からモデル校として実施している豊川北小学校と中小学校では、それぞれの学校や地域の特性に応じた事業を展開しており、モデル事業の趣旨に沿った運営を行えているものと認識しております。しかしながら、議員ご指摘のとおり、運営体制の改善や活動内容の検証と見直しなどが課題となってきており、さらなる運営面での充実に向けて検討を進めているところです。

質問②

次にこの新放課後モデル事業においての課題についてお伺いします。モデル事業実施から3年8か月が経過し、改善を重ねながら今日に至っているものと思われます。まずはこの間、どのような手法でこの事業を検証してきたのか、またその検証の結果どのような課題が現在残っているのかを2校それぞれお答え願います。

回答②

新放課後モデル事業の検証方法と検証結果について、ご答弁します。

まず、新放課後モデル事業のこれまでの検証方法としては、利用者アンケートをはじめ、学校、保護者、地域、行政の代表及び事業の受託事業者である箕面市社会福祉協議会が集まる運営会議を定期的に開催し、みなさんのご意見を参考にプログラム内容、実施回数、運営方法の改善に役立ててきました。例えば、他校への拡大に向けた問題点やスタディルームでの活動の充実策、地域との連携の成果と課題などの意見が出されています。また、活動プログラムのうち、学習プログラムと運動プログラムについては、参加率が低く、参加する児童に偏りがあることも指摘されました。さらに、家庭環境など様々な要因から基礎的な学力に課題を抱える児童への学習支援や子どもたち自らが取り組む自学自習をさらに支援することが必要であるとの認識のもと、これまでの学習面での取り組みをより強化する必要性も課題として見えてきました。

そこで、豊川北小学校では昨年度2学期から、中小学校では本年5月からの新たな取り組みとして、強化版スタディルームをモデル実施しています。この取り組みは、担任との連携のもと、指導員が5時間目の授業に参加して学習課題を抱える児童の学習サポートを行い、引き続き放課後のスタディルームで、学習習慣を身に付けることを支援するものです。両校の開始年度の差により、定着度は異なりますが、指導員との関係により、自主的にスタディルームに通い宿題などに取り組む児童も少しずつ増えてきていることは一つの成果であると捉えています。

しかしながら、両校の地域性、児童数と施設の関係、活動を支える指導員と学校との連携などにおいても課題が見られ、今後、学校事情に応じた運営体制の強化を図って参ります。

質問③

次にこのモデル事業の効果についてお伺いします。こどもの居場所づくりということで始まったこの事業でありますが、全国でも数多くの自治体で取り組もうとしております。箕面市においても夫婦共働きの家庭、一人親の家庭が増加傾向にある中、親の帰りを待つこどもの居場所が学校にあるというのは最も健全な手法であり、効率的かつ効果的であると考えております。そこで、そのような居場所を必要とするこどもがこのモデル事業を実際に利用しているのかを教えて下さい。そして利用した結果、こどもの様子がどのように変わったのかを教えて下さい。

回答③

新放課後モデル事業の利用実態と効果について、ご答弁いたします。

共働きの家庭や一人親家庭の増加に伴い、放課後の監護ができない児童に、適切な遊びや生活の場を提供するため、本市では、全ての小学校において学童保育事業を実施しています。また、学童保育を利用しない児童についても、自由な遊び場開放事業の実施により、プレイルームや運動場、体育館で自由に遊びや学習ができる環境を整えています。

新放課後モデル事業の実施校2校では、これらに加えてスタディルームや活動プログラムを用意し、共働き家庭や一人親家庭の子どもたちも含め全ての児童が、安心・安全な学校の中で放課後の時間を豊かに過ごせるよう取り組んでいます。

両校でのアンケートから、保護者の声として「仕事があるときなど充実したプログラムや安全な取り組みはほんとうに助かる。」「居場所が学校だと本当に安心できるので回数を増やしてほしい。」などがありました。また、先ほどご答弁しましたとおり、スタディルームや活動への参加も少しずつですが増加傾向にあり、自主的に宿題に取り組むようになった児童も見られ、着実に定着してきていると考えています。

今後とも「安心・安全な居場所である学校で、有意義な放課後を過ごさせたい」という保護者のニーズに応え、特に子どもたちの学習習慣の定着を図っていきたいと考えています。

質問④

このご答弁をいただけて本当に嬉しく思いました。私が住む豊川北小学校区においても親が帰って来るのが遅いからと、毎日のように遅い時間まで友達の家へ遊びに行く児童がいました。そんな児童も可哀そうに思えるのと同時に、受け入れてくれている親も迷惑に感じていたのではないかと思います。しかし、この新放課後モデル事業が豊川北小学校で行われ、そのような児童も少なくなったと聞いております。またそのような児童が親の帰りを待つ時間、スタディルームへ参加することによって家庭学習を確実に行うことができ、健全な生活習慣を身に付けることができることから、時代に沿った素晴らしい取組みであると高く評価すると共に、更に充実した事業にしていただきたいと切に願っております。

ただ、このモデル事業が始まった平成25年度においては、平成27年度には全校実施する予定であったと聞いておりますが、現在のところ残念ながら当初の2校から拡大されておりません。実施されていない小学校の保護者からは、いつになったら自分のこどもが通う小学校が実施されるのかと、早期の全校実施を心待ちにされております。

そこで、先月11月17日に文教常任委員会で視察に行った江戸川区の例を簡単にご説明させていただきます。江戸川区の人口は約69万人と箕面市の約5倍にあたり、小学校も73校と約5倍の数であります。一般会計予算においても約2,300億円とこれも約5倍に相当します。そんな江戸川区でありますが、平成15年にモデル校として放課後事業を1校実施し、翌年平成16年には39校、そして平成17年には73校全校が実施されております。プログラムの内容も運動、文化など多岐にわたり、スポーツ推進委員、体育連盟、PTAをはじめ地域の方々、中学生、高校生、大学生、専門学生と世代を超えてそれぞれの得意分野でプログラムを実施しております。まさに地域が一丸となって事業を行い、小学校が小学生を通じて、地域の拠点となっている素晴らしい成功事例であると思いました。この背景には、江戸川の治水問題、航空機騒音などの公害問題、そして急激な人口増加による区画整理問題など、これらの問題を解決するため、行政だけでなく、区民や事業者が一体となった対策を総合的に進めてきた結果、わが街・わが学校という意識が高まった経緯があるというように聞きました。

箕面市においてもわが街・わが学校という意識を持ち合わせている市民は多く、放課後事業の全校実施は地域協力の下、決して不可能ではないと考えております。

そこで新放課後モデル事業において、今後どのように拡大していくのか、拡大するにあたりどのような課題があるのかを教えて下さい。

回答④

新放課後モデル事業の今後の展開について、ご答弁いたします。

新放課後モデル事業の本格実施にあたっては、学校と地域の状況十分に考慮し、これまでの取り組みの成果と課題をふまえ、本事業の目的の達成に向けて、だれもが安心して参加できる運営体制として進めていくことが重要であると認識しています。

放課後の学習プログラムやスタディルームの充実については、基礎的な学力に課題を抱える児童だけでなく、一定の学力を身に付けた児童をさらに伸ばす取り組みの検討や、貧困の連鎖を根絶する取り組みとして放課後においてどのような学習支援ができるかを検討しており、様々な学習指導関連事業の関係性を整理し、子どもたちの放課後のあるべき過ごし方をしっかりと検討したいと考えております。

その際、特に、子どもたちの学力や家庭状況など個々の状況をふまえて対応していく必要がありますので、これらの課題を改めて整理をし、新放課後モデル事業を確立した後に、他校への拡大を行っていきたいと考えています。

要望

有難うございます。ご答弁いただいた通り、このモデル事業をしっかりと検証していただき、単に拡大するのではなく、各小学校の特色や地域性を考慮して放課後事業の目的、趣旨に沿った本格実施を行っていただきたいと思います。ただ、繰り返しになりますが、時代に沿った素晴らしい取組みであり、実施を心待ちにしている児童・保護者が多いことから、早期の全校実施をお願いしまして、一般質問を終わりたいと思います。

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